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2004年09月25日
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食:
種の力、タネ明かし−−アミノ酸組成が母乳に近い南高梅

 列島が南から梅雨入りし、食料品店にみずみずしい梅が並ぶ季節となった。果肉の効能はつとに知られるところだが、最近は「種」の力が注目されている。小さな体に秘められた、とてつもない可能性……。そのタネ明かしをしてみよう。【斉藤希史子、写真も】

 ◇冷え症、便秘防止に−−不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミンE豊富

 果肉の中に固い種を抱いている梅。その殻を割ると、「仁」が転がり出る。俗に言う「天神さま」だ。「梅は食うとも核(さね)食うな。中に天神寝てござる」とのことわざがある一方、健康食品として珍重されてもきた。

 兵庫県尼崎市の「伝統食研究会」によると、生の種を多量に積んでおくと、自然発火することがある。「漢方で言う『気』がみなぎっている証拠」と同会本部の薬剤師、角矢敏男さん。和歌山特産の南高梅の仁の成分を調べると、アミノ酸組成が母乳に近いことも分かった。特にビタミンB17(アミグダリン)が豊富で、鎮痛作用などが確認されている。

 アミグダリンは梅と同じバラ科に属する桃やビワ、アンズの種や、キビなどにも含まれている。「先人は体験的に、その薬効を知っていた。桃とキビで病気(鬼)を退治する桃太郎伝説は、ここから生まれました」(角矢さん)

 同会は、梅の仁を商品化もしている。80グラム2940円(カマタニ自然生活研究社電話06・6420・8188)。

写真

「媽々のお茶」を配合する阪口珠未さん。一番奥がフユアオイの種

 北京中医薬大に留学経験のある薬膳料理研究家、阪口珠未(すみ)さんによると、中国で種子は神聖視されている。「根を張り芽を出し、大木に育つ力……言わば自然のエネルギーの塊ですから」。それを丸ごと頂く「種食」は広く根付いている。

 体から毒を出すといわれるカボチャの種はお茶請け代わり。胃の働きを整えるというヒマワリの種も歯で上手に割り、中身を吸い出す。変わり種としては「王不留行(おうふるぎょう)」。変わった植物名は「(母乳が出て)行くのを王でも留められない」ことから付けられた。

 概して種は、体を温める「陽」の性質をもち、不飽和脂肪酸や食物繊維が豊富。ビタミンEも多量に含み、血行を促す。冷えや便秘を起こしやすい女性には、心強い味方という。

 母乳不足に悩む女性のために、阪口さんは最近、お茶を開発した。名づけて「媽々(まま)のお茶」。薬事法上の問題で王不留行は配合できないが、同じく催乳効果があるとされるフユアオイの種や黒大豆が主成分だ。6月中旬にはネット上で発売の予定。100グラム1690円(漢方キッチンhttp://plaza.harmonix.ne.jp/・skz/kanpo.htm)。

 日本ナッツ協会によると、わが国の1人あたりの種子消費量は、米国の10分の1以下。米国では、アーモンドやクルミ、ヘーゼルナッツなどを「1日に手のひら1杯」食べることが推奨されている。女性にとっては種の高いカロリーが悩みのタネだが、最近の実験では「手のひら1杯」健康法を試したグループに、むしろ体重の減少がみられたという。同会事務局長の石黒陽子さんは「ナッツは体の“実”になる、天然のサプリメント」と勧めている。

毎日新聞 2004年5月31日 東京朝刊

毎日新聞速報から

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